田辺騎手が「以前よりもだいぶ大人になりました」と語るブライトエンブレム(撮影：佐々木祥恵)

　セントライト記念(GII・芝2200m)に出走予定の美浦所属馬の最終追い切りが、9月16日(水)と17日(木)に行われた。追い切り後の関係者のコメント。

・9月16日(水)追い切り組

■ロッカフェスタ(牡3・美浦・田村康仁)について、田村調教師。
「順調に来ていますね。体は小さいですけど、動きは良いですよ。切れる脚を使うので良馬場希望ですが、月曜のレースですから馬場は回復してくれるのではないかと思います。気性は激しいですが、その分休み明けでも走ります。前走(3歳以上500万下・1着)後には放牧に出してテンションを下げて、こちらに戻ってきました。水曜日に追い切って、今日(9/17)、馬体を見たのですが、良い感じに仕上がっています。相手次第ですが、どんなレースをしてくれるか楽しみです」

■ミュゼエイリアン(牡3・美浦・黒岩陽一)について、黒岩調教師。
「前走(日本ダービー・GI・10着)後は放牧に出しました。春と比べて体重はさほど増えていませんが、大きく見せて成長を感じます。帰厩当初は息遣いがあまり良くなかったのですが、ひと追いごとに良くなっています。木曜追いの陣営も多いですが、天気が良いうちにしっかりやりたかったので水曜追いにしました。坂路を1本上がってからウッドチップコースで併せ馬の追い切りをしましたが、楽な手応えで動いていました。以前はモタモタするところがありましたが、春に比べて相手に追いつく時の格好が良くなり、楽に追いつけるようになりました。ダービーでは逃げる競馬をしましたが、ムキになっていたわけではないですし、リズムを崩さずに走れるところが強味です。上手に立ち回ってほしいですね」

■ウイングチップ(牡3・美浦。宗像義忠)について、宗像調教師。
「以前と比べて体に幅が出ましたし、バランスが良くなりました。走りのバランスも良くなっていて、成長を感じます。距離は問題ないと思いますし、あとは強いメンバーの中でどれだけやれるか、力試しの一戦になると思います」

・9月17日(木)追い切り組

■ブライトエンブレム(牡3・美浦・小島茂之)について、田辺裕信騎手。
「今日は息遣い、手応えを確認する内容の追い切りでした。もう少しモタモタするかと思いましたが、想像以上に感触が良かったです。すごく良い状態を10とすると、7、8分くらいかなと思いますけど、初戦としてはまずまずだと思います。以前よりもだいぶ大人になりましたね」

同馬を管理する小島茂之調教師。
「春先と比べて大きく変わってはいませんが、精神面で成長していて大人になった感じがします。普段の調教では走りたいという気持ちが強いので、先週は前に馬を置いて我慢ができるかを確認しましたが、思ったよりも折り合いがつきました。先週の内容が良かったので、今日はジョッキーに感触を掴んでもらう程度の追い切りでした。反応を見て、重いようなら終いに追ってほしいと伝えましたが、最後もさほど追っていなかったので、道中の反応が良かったのだろうと思います。牧場でしっかり乗り込んだ分、休み明けにしては軽く動けましたし、ジョッキーもそう感じたのでしょう。折り合いも問題ないですし、距離延長は良いと思います。相手関係を気にせずに、自分の力を出してほしいですね」

■タンタアレグリア(牡3・美浦・国枝栄)について、蛯名正義騎手。
「今日は時計は速くなかったですが、その分ゴール板を過ぎても追っていますし、動き自体は悪くなかったですね。先週よりも良化していますが、まだ途上という感じもあります。気持ちと体が一致しなくて、素質がありながらもなかなかそれを出し切れないこともありました。今回も含めてこれからも経験を重ねていって、変わってくれればと思います。今回だけではなくまだ先もありますし、何とか先につながる良い内容の競馬をしたいです」

■ミュゼゴースト(牡3・美浦。大江原哲)について、柴田善臣騎手。
「先週も結構やっていますし、順調に来ていて今日の感触も悪くないですよ。春はブレがありましたが、だいぶしっかりしてきて今はブレなくなりました。背中もしっかりしてきましたし、成長の遅れを取り戻してきましたね。中山の2200mは展開にもよりますが、大丈夫だと思います」

■ジュンツバサ(牡3・美浦・勢司和浩)について、勢司調教師。
「飼い葉も食べていて体つきも良いですし、今日の動きも良かったです。以前は成長途上で内にササるところがあり、東京にこだわって使ってきましたが、調教方法を多様化させて工夫してきましたから、中山2200mも対応してくれると思います。短いところの方が良さそうな母系ですが、コントロールがきくように調教していますので、距離も大丈夫でしょう」

■レッドライジェル(牡3・美浦・藤沢和雄)について、藤沢調教師。
「坂路の予定でしたが、馬場状態を考えて芝コースで追い切りました。時計は遅いですが、動きは良かったですよ」

同馬について、津曲大祐調教助手。
「前走は良馬場の発表でしたが、雨が降った後の馬場でこの馬には合わなかったですし、流れも速かったですね。前走は体が増えていたように以前は華奢だった体も成長していましたし、良い状態で臨めましたので、その点は収穫だったと思います。札幌から帰厩後は順調に来ています。メンバーは骨っぽいですけど、中山は得意ですし、良馬場の決め手比べになれば見劣らないと思います」

■スモークフリー(牡3・美浦・戸田博文)について、戸田調教師。
「今日は馬場も悪かったですし競馬を使ってきていますから、あまり負荷をかけずに、そしてジョッキー(柴山騎手)に感触を掴んでもらうということで、ポリトラックで追い切りました。今回は乗れませんでしたが、前走(糸魚川特別・3歳以上500万下・1着)で騎乗したミルコ(デムーロ騎手)が中山2200が合うと言ってくれたこともあり、ここを使うことにしました。以前は子供子供していましたけど、そういう面もなくなり常識にかかってきました。精神的にも大人になっていますし、レースで本領を発揮してほしいですね。パワーのありそうな体型なので、タフな中山の馬場も問題ないでしょう」

■タケルラムセス(牡3・美浦・田村康仁)について、田村調教師。
「新馬、500万下と2つ勝ちましたけど、その後春先はメンバーが強かったですね。夏を越して良くなってきていますし、この馬なりに調子は良いですよ。ただ今回もメンバーが強いですからね。そのあたりどうかでしょう」

　なお同レースに登録のあったロジダーリング(牡3・美浦・新開幸一)は、21日(月)の中山9R白井特別(3歳以上1000万下・芝1800m)に回る。

新開調教師のコメント「前走(栗子特別・3歳以上500万下・1着)後は放牧に出て、戻ってきてからも順調ですし、状態も良いです。メンバー次第ではセントライト記念も考えましたが、前に行く馬が多いですし、自己条件にしました。元々期待していた馬ですが、ブリンカーを外しても集中してちゃんと走れるようになりました。スピードがあるので先行する競馬になりますが、他に逃げる馬がいればハナにはこだわらないですし、逃げなくても大丈夫です」
(取材・写真：佐々木祥恵)

ブライトエンブレム

札幌２歳Sでは見事勝利

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