re
シルクロードS|予想・データ|2015年

 来月いっぱいで70歳定年を迎える美浦の鈴木康弘師がラストスパートに入った。先週の京都牝馬Sでは15番人気ゴールデンナンバーが2着に激走。今週はシルクロードSにセイコーライコウ、東京の節分Sに連勝中のアデイインザライフと期待馬を送り込む。76年に開業してから約40年の調教師生活も残り1カ月。その心境を語った。

 24日に行われた京都牝馬S。2着で引き揚げてきたゴールデンナンバーの姿に、鈴木康師は「思わず涙が出た」という。同馬は昨年9月、京成杯AHのスタート直前に発馬機に激突。胸部に全身麻酔の緊急手術を要する裂傷を負った。いったんは獣医から能失(競走能力喪失)と宣告されながら、手術は成功し驚異的に回復。復帰初戦での激走に目頭が熱くなった。

 28日には、かつて管理したダイナフェアリーの訃報が届いた。現役時は重賞5勝。繁殖牝馬となってからも産駒のほとんどを手掛けた。「競走馬としてはもちろん、繁殖馬としてもいい子を出して厩舎を支えてくれた」。往時を懐かしみながら続けた。「弱っているとは聞いていたから、僕が辞める直前まで頑張ってくれたのかな。先週のゴールデンナンバーもそう。最後まで頑張れというメッセージを残してくれたよう。運命的なものを感じる」

 感傷に浸ったのはつかの間。話題が今週の出走馬に移ると鋭い眼光に戻った。シルクロードSのセイコーライコウは、昨夏のアイビスSDで厩舎に15年ぶりのタイトルをもたらした。「ステッキに反抗するし、先頭に立つと気を抜く。癖馬だから(主戦の柴田)善臣が乗れない(騎乗停止中)のは痛いが状態はいい。うまく流れに乗れれば」と話す。「僕が最後だからといって無理に使うことはしたくない」と話す師にとって、最後の重賞挑戦となる可能性もある。東京の節分Sには2連勝中のアデイインザライフが出走。「昇級で56キロは近2走のパフォーマンスが評価された証。除外で延びたが神経が太いので心配ない」と意気込む。

 調教師としての残り1カ月、勝利への執念を燃やし続ける。

 
シルクロードSの予想データ
1) 種牡馬データ
【シルクロードS|予想・データ|2015年】の続きを読む