皐月賞予想・データ

 

マウントロブソン上昇気配

 “ここ目標”が透けて見えるよう。泣く子も黙る堀厩舎がきっちり間に合わせてきたマウントロブソンと心中したい。

 この業界、どの陣営も皐月賞&ダービーの春2冠を夢見るもの。もちろんマウントもT・ベリー騎手をダービーまで確保しているように、最大目標が春2冠であることに変わりはない。

 が、原石ぞろいのスーパーステーブル特有の“うれしい悩み”がコトを少々ややこしくする。要は皐月向き、ダービー向き、菊花賞向きといったバラエティ豊かな駒がそろっているわけで、それぞれの個性をローテーションに反映できる特権、もしくは使命があるはずなのだ。

 今年の堀ジャッジをローテから想像するに、東京芝2400メートルで2勝目をあげたレーヴァテイン(青葉賞に出走予定)がダービー狙い、そしてデビューから4戦連続2000メートルにこだわったマウントが2冠、まずは皐月狙い、の見立てでまず間違いはないだろう。

 あえて小倉のあすなろ賞に遠征したのも皐月が視野に入っていたからこそ。貴重な2勝目を取りにいったのはもちろんのこと、中山10F向きの機動力の有無を確認したかったからではあるまいか? 結果はといえば道中(12)(4)(3)番手と動いて2勝目をゲットと、完璧なシナリオだった。

 もっとも、厩舎が敷いたローテーションにきっちりと応えてきたマウントの豊かな才能も忘れてはならない。特に驚かされるのがフジテレビ賞スプリングS時の状態で、「小倉の前が急仕上げで、小倉への移動の反動もあり、前走では歩様がギクシャクしていて良くはなかった」と堀調教師。そんな状況下で測ったようにクビ差制すあたり、やはりただものではない。

 一転今回は、「気性面で不安定なところがあり、まだトモも今ひとつ」とクギを刺しながら、「一番体調が安定していて体も増えてきたし、順調に成長してしっかりしてきた。上昇気配でGIに向かえるのが一番いい」。もうこのコメントだけで十分だろう。(夕刊フジ)

 
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