◆朝日杯FS追い切り(17日)
今年から阪神が舞台となる2歳王者決定戦に向けた追い切りが17日、東西のトレセンで行われた。栗東に滞在して調整を進めている関東馬ブライトエンブレムは小島茂調教師自ら騎乗し併せ馬でしっかり負荷をかけた。
本番に向けての確認を兼ねた最終追い切りだった。栗東・CWコースで6ハロン地点からスタートしたブライトエンブレム。ラスヴェンチュラス(5歳1000万)を前に見ながら進み、「ちょっと気負ったりするところがあったので、馬の後ろにつけたり横に行ったりしたが、思っていた以上に折り合っていた」。自らまたがって感触を確かめた小島茂調教師は意図を説明した。
直線では最後方追走のダノンプラチナ(2歳500万)との競り合いで頭差だけ遅れたが、「下が柔らかいとモタモタする馬」とトレーナーは気にしていなかった。先行した僚馬には半馬身先着し、降雨の影響で馬場が悪かった中でも83秒3―39秒7―12秒5の好タイムでまとめた。
追い切り直後に乳酸値を測定すると、1週前追い切り時の9・8から倍近くとなる17・7という数値が出た。「結果的に負荷がかかったことにはなったが、やり過ぎたというのはないし、馬は終わってからもケロッとしていた」と小島茂師は説明。調教の強度が上がっても、バテない心肺機能の高さを証明した2戦2勝馬。世代の頂点に向けて、順調に歩を進めている。(西山 智昭)
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今週のメーンイベントは、昨年までの中山から舞台を阪神に移して行われる2歳王者決定戦、GI朝日杯フューチュリティS(21日、芝1600メートル)。頂上決戦にふさわしく、登録馬中に重賞勝ち馬が5頭という豪華な顔ぶれだ。
クラリティスカイ(栗東・友道康夫厩舎、牡)は、東京で今回と同距離の新設重賞いちょうSを2歳コースレコードで勝った。前走では、それまでの差す競馬から一転して好位からの競馬で押し切り、脚質に自在性があるのも強みだ。阪神は2走前に未勝利を脱出したコース。3連勝で一気に王座に駆け上がるシーンも十分に考えられる。
ブライトエンブレム(美浦・小島茂之厩舎、牡)はレース1カ月前の11月21日から栗東トレセンで調整中。新馬→GIII札幌2歳Sと無傷の2連勝中だ。新馬戦ではジャストドゥイングを楽々と差し切り、前走でもレッツゴードンキやアルマワイオリなどを破っている。2008年のGI秋華賞を制した母ブラックエンブレム譲りの底力と末脚が武器。阪神ジュベナイルフィリーズを制したショウナンアデラに続いて、牡馬のチャンピオンも関東から出る可能性は大いにある。
アッシュゴールド(栗東・池江泰寿厩舎、牡)は、ドリームジャーニー、オルフェーヴルの全弟という良血馬。成長力豊かな母系だ。新馬戦こそ見せ場なく敗れたが、秋は一戦ごとに良化がうかがえるだけに、兄ドリームジャーニーに続く兄弟制覇も夢ではない。
いちょうS2着馬で、父母ともにクラシックウイナー(父ネオユニヴァース、母シルクプリマドンナ)のネオルミエール(美浦・藤沢和雄厩舎、牡)は、まだ底を見せていない。鞍上の柴山雄一騎手は初のGI制覇を狙う。
GIIデイリー杯2歳Sの勝ち馬タガノエスプレッソ(栗東・五十嵐忠男厩舎、牡)も、新コンビの菱田裕二騎手がやはりGI初制覇を目指しての参戦だ。
そのデイリー杯で3着に敗れたナヴィオン(栗東・橋口弘次郎厩舎、牡)は、2走前のききょうS(1着)で阪神コースを経験済み。新馬戦でショウナンアデラを破った実績は改めてクローズアップされる。
阪神マイルに実績のあるディープインパクト産駒では、抽選待ちの現状ながらダノンプラチナ(美浦・国枝栄厩舎、牡)が注目の的だ。新馬戦2着→未勝利&特別を楽勝という足跡は、同じディープインパクトを父に持つショウナンアデラとそっくり。鞍上も同じ蛯名正義騎手なら、期待は膨らむばかりだ。
ほかにも、派手さはないがしぶとい伸び脚で3連勝中のコスモナインボール(美浦・和田雄二厩舎、牡)や、スムーズに走れれば強いセカンドテーブル(栗東・崎山博樹厩舎、牡)、決め手のあるワキノヒビキ(栗東・清水久詞厩舎、牡)なども流れ次第で台頭の余地がある。来春のクラシックに向けて、どの馬が2歳王者に輝くのか。若駒たちの見応えあるバトルが楽しめそうだ。
朝日杯FS-2013年動画