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前哨戦のペガサスジャンプＳを完勝したレッドキングダム（写真：サンケイスポーツ）

　中山では土曜メーンに、Ｊ・ＧＩ中山グランドジャンプ（１８日、芝４２５０メートル）が行われる。大障害コースを使用する障害ＧＩは暮れの中山大障害とこのレースだけ。外国馬の参戦がないのは残念だが、大竹柵、大生け垣といった難所を人馬一体の飛越でジャンプしていく雄姿は、ぜひとも生で見届けたい。

　昨年の中山大障害を制したレッドキングダム（栗東・松永幹夫厩舎、牡６歳）は、前哨戦のペガサスジャンプＳを完勝。万全の状態でＪ・ＧＩ完全制覇に挑む。スピード、スタミナ、パワーを兼ね備え、ジャンプのセンスも抜群。負担重量の６３キロも２戦２勝で、今回は他馬と斤量差がない（ティリアンパープルは牝馬で６１キロ）のは有利。Ｖに一番近いのはこの馬だ。「前走は七分くらいの仕上げ。手応えがつかめました」と自信をみせる西谷誠騎手は、２００８年マルカラスカル以来、７年ぶり２度目のＶを狙う。

　昨年の覇者アポロマーベリック（美浦・堀井雅広厩舎、牡６歳）は、一昨年の中山大障害も勝っており、大障害コースの実績は上位。前走のペガサスＪＳは道中でトモを落とす不利があったものの、５着という結果はやや不安を残した。中２週で、どこまで態勢を立て直してくるかが鍵になる。２連敗中のレッドキングダムに借りを返してカラジ（０５～０７年まで３連覇）以来の連覇となるか。

　サンレイデューク（栗東・高橋義忠厩舎、牡７歳）は前走の阪神スプリングジャンプでハナ差Ｖ。昨年の東京ハイジャンプも勝っており、中山大障害では３着と地力強化が目立つ。バンケットのある中山コースは２勝と相性も良い。４６０キロ前後とそれほど大きな馬体ではないが、スタミナは満点。飛越のセンスが良く、ミスが少ないのが長所だ。強敵相手に経験を積んできた平地未勝利馬が、難波剛健騎手とともに初のＧＩ制覇を果たすか注目される。

　実績や充実ぶりでは、上記３頭がやや抜けている印象だが、前６年続けて８番人気馬が馬券に絡んでいるように、伏兵の台頭にも注意は必要だ。

　秘めた素質が高いソンブレロ（栗東・松田国英厩舎、牡５歳）は、障害入りしてから１０戦して全て掲示板を確保。初の中山コースを克服すれば、上位進出も可能だろう。

　シャイニーブラック（美浦・伊藤伸一厩舎、セン８歳）は昨年の春秋Ｊ・ＧＩでどちらも４着。ベテランらしく経験は豊富だ。前崩れの展開になれば、台頭の余地がある。

　キャリアは浅いものの、センスのいいアップトゥデイト（栗東・佐々木晶三厩舎、牡５歳）も侮れない。ベテラン林満明騎手は、まだ大障害コースでの優勝歴がなく、障害入りからの５戦で手綱を取り続けているこの馬で悲願のＶを目指す。

　他では一昨年の２着馬リキアイクロフネ（美浦・田中剛厩舎、牡８歳）や、コース巧者テンジンキヨモリ（美浦・武井亮厩舎、牡５歳）などもマークしておきたい。

　馬券の当たりはずれと無関係に、ファンから温かい拍手が送られる年に２度だけの大舞台。入念なコミュニケーションをとってきた人馬が、まさに一体となって難関に挑む。日曜のクラシックに負けない激闘を見届けよう。

中山競馬場－障害データ

やはりというかアポロキングダム凄いっすね…